飼い主の方が病院に来られて、「吐いています。」と症状を説明されることがあります。
飼い主の方は単に「吐いている。」と一言で説明されるのですが、この「吐く」という病態は、多くの病気の一症状だったり、吐いている状態によっては、原因となる場所が異なったりと様々な意味合いを持つために、いろいろとご質問をさせて頂くことがあります。
例えばこんな質問です。
- 食後から吐くまでの時間が、食後すぐ、数分後、または数時間後など、どんなタイミングで吐いていますか?
- 吐物の性状は、未消化ですか、未消化だけれども、多少とも形状に変化があったり、変わった臭いがあったり、粘液などが混ざっていたりしませんか、それとも、少しだけ消化物が混ざっていたり、もしくは混ざっていなかったりで、黄緑色の液体が混じっていたりしていませんか?
- 飲み込むときに大袈裟なほどの動作をしていますか、それとも普通に飲みこめていますか?
- 水を飲んでいる時に、飲みにくそうにしていることが多いですか、少ないですか。それとも、全く無いですか?
- 最近、食餌を変えた為に吐いているという事はないですか。それとも、いつもと同じ食餌ですか?
- 前駆症状(ヨダレが垂れている、吐き戻しそうな動作、不安そうな仕草など)がありますか、ないですか?
- 吐いた時には、自らが吐こうとして努力していましたか(お腹を強く収縮しているなど)、それとも、すっと自然に出ましたか?
- 関連症状として呼吸が苦しそう、咳をしている、涎が垂れている、悪心がありますか?
お飼いになっている動物が「吐いている」時には、以上のことに気を付けながら観察し、ご質問にお答えいただければと思います。