動物の予防医学

予防について

20130807-01
動物の保険会社の統計資料によると、ウィルスや細菌によって引き起こされる感染症、体表や体内に寄生されることにより被害が出る寄生虫症、これらの病気が、すべての病気の中で占める割合は、犬において感染症が、0.9%、寄生虫症が、1.1%で、猫では、感染症が、1.5%、寄生虫症では、0.8%という報告です。

一見すると低い数字ですので、滅多に起きない病気というイメージを持ってしまいがちですが、“0”では無いという事実に着目することが大事だと思います。

この報告データから読み取れることは、ワクチン接種、フィラリアの感染予防、定期的な内部、または、外部寄生虫の駆除について飼い主のみなさん方が、予防という行為について、今まで以上に前向きに取り組んでこられた結果といえます。

もし、病気にかかる可能性が、減ったからという理由で、予防行為をやめてしまったらどうなるのでしょう。

あくまで、一般的にですが、大抵、医療や獣医療の予防行為の相手は、目に見えない大きさ、被害報告が、少なくなっているなどの理由から予防行為をついつい、疎かにさせがちです。

しかし、現在の獣医療で行われている予防行為の内容を考えると、予防行為そのものを止めてしまい、もし、感染したならば、動物の生命そのものを脅かすものが、多く含まれているのも事実です。

予防するという行為は、起こるかもしれないし、起こらないかも知れない事に対して、事前に対策を施すという、大変でありながら、地道な作業であります。

2011年に起きた激震災害である東日本大地震で、被災され、また、懸命に復興へ向け頑張られていらっしゃる方々には、心よりお見舞い申し上げます。

また、不幸にしてお亡くなりになられた方々には、心よりご冥福をお祈りいたします。

この大変な災害が起こる前にある町で為された、予防行為がありました。
約千年前、その海辺にある町を大津波が襲ったという言い伝えを大事にし、議会で新たに建設する堤防の高さをより高くするよう頑なに求め続けた町長さんがいらしたそうです。

当然、それだけ余分に費用がかかりますので、当初は反対されていたようです。

しかし、終いには、議会で認められ、予算が認可され、着工されました。

そのおかげで、この大震災での大津波から町を守り、救うことができたそうです。

自然災害に備える予防に病気の予防をなぞらえるのは、乱暴かもしれませんが、予防という行為は、備える事態や状況により様々ですが、“怠らないという気持ち”、“守ろうという気持ち”、“油断しないという気持ち”を維持し続ける事が大切だと思います。