犬のブログ

犬の聴覚

20130807-05

犬の優れた能力として、嗅覚と並び、聴覚が挙げられると思います。

一般に犬の聴覚領域は65~50,000Hzの周波数帯であり、人の聴覚領域が16~20,000Hzの周波数帯ですので、犬は人よりも数倍高い周波数の音を聞く能力があることになります。

しかし、犬の音を聞く能力の優れた点は、嗅覚と異なり音を感じる部分の数が多いとか、音を増幅する能力が人より優れていると考えられているのはなく、脳の中の音を感じる部分(聴覚野)の感受性が高いためと考えられています。

因みに周波数は、数値が大きければ高音、小さければ低音ということになりますが、人の通常会話周波数帯は200~4,000Hzなので、犬は充分に人の声を聴くことができると考えられています。

音の伝わり方は、外耳、中耳、内耳を通して伝わってきた音(振動)が、求心性神経の蝸牛神経に伝わり、延髄、視床を通り、大脳皮質の聴覚野に送られて、初めて音として認識されるという構造になっています。

犬は、高周波数帯の音を聞くことができるけれども、イルカのように成犬が超音波領域の音を使ってコミュニケーションをしているという証拠は、現在のところ無いようです。

同じ周波数で2つの音の大きさを識別する能力に関して言えば、人の聴力は、犬よりも優れていると言われています。人は5000Hz以下の音で、周波数が似ている音でも識別する能力に優れていて、また、持続時間の非常に短い音を識別する能力にも優れています。これらの特徴的な能力は、人が言語という複雑な音を聞き分ける為に発達したのだと考えられています。

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また、犬種によって聴力の差はほとんどみられず、聴力と身体の大きさにも相関関係はみられません。

耳の垂れた犬の耳介を持ち上げてみても、聴力に変わりがないと言われています。例えば、チワワとゴールデンレトリーバーという耳の形、身体の大きさの違う犬種でも、聴力はほぼ同じとということになります。