スタッフのブログ

スタッフ紹介〈牧野院長のご紹介〉

小岩井農場から見た岩手山

たけだ
たけだ
こんにちは。竹田です。

 

今回のスタッフ紹介は、当院の院長である「牧野 仁先生」です。
 

ひとつひとつの質問に、牧野先生の人柄あふれる丁寧な答えが返ってきました。
 

じっくりと読んでいただけたら、嬉しいです!
 

獣医師をめざしたきっかけは、どんなことでしたか?
 

幼い頃に『究極のサバイバル状態に陥った時、人と動物を一緒に助けられるのは獣医さんではないか』と思ったことが根底にあると思います。
 

私が究極のサバイバル状態を感じたのには、こんな時代背景があります。
 

1972年に日中国交正常化の合意文書の調印の記念にジャイアントパンダのカンカン(康康)とランラン(蘭蘭)が初めて日本にやってきて、日本中がそのニュースで沸きかえっていました。
 

1972年11月に上野動物園で初公開され、その愛くるしい姿を見たさに長蛇の列ができて話題となった。


 

子供心(当時10歳)に何か盛り上がっているなと感じていたいときに、小松左京さんの超ベストセラーSF小説「日本沈没」が1974年にテレビドラマ化され、日本列島が海に沈むという衝撃的な番組を見て、とても恐怖を感じたことを覚えています。
 

番組の冒頭で毎回映し出されたタイトル映像。その時流れる主題歌の「あしたの愛」は五木ひろしが歌い作曲は筒美京平で、哀愁に満ちたメロディーが心にしみる。


 

その頃はちょうど幼少時からの念願であった犬を飼いはじめた時期でもありました。日本が沈没してしまうような非常事態になった時も「大切な家族とマルを守りたい」と思う気持ちが、獣医師を目指したことにつながっているのだと思います。
 

大阪に住んでいた小学2年生の時に保健所からもらってきて飼い始めた雑種犬「マル」。栃木県に引っ越して広いお庭で自由を満喫。


 

臨床獣医師として30年。先生が心がけてきたことやベースになっている考えがありましたら教えてください。
 

岩手県盛岡市という厳しい寒さの土地で大動物を中心に獣医学と学術研究の基礎を学び、獣医師の免許を取得後、東京大学の動物病院で犬猫の臨床獣医師としてのキャリアをスタートさせました。
 

大学の教官、先輩、同期、後輩と学生そして病院スタッフが、日夜病気の動物達を救おうと一丸となって治療に取り組む姿勢に感銘し、精神的にも多大な影響を受けました。
 

研修医時代、寝食を共にしていた相棒「ペス」


 

大学での2年間の研修を経て、埼玉県の戸ヶ崎動物病院に就職しました。
 

当時の院長・諸角元ニ先生の指導のもと、個人病院での一般臨床を中心に学会発表や論文投稿など様々な経験をさせて頂き、地域の人たちとの交流、繋がり、信頼関係などを築くことで動物病院がより良く機能し、地域に貢献する役割を果たせることを実感しました。
 

勤務医時代の病院内での一コマ


 

優秀な後輩獣医師も育ち、充実した獣医臨床生活を過ごしていましたが、大切にしている動物たちとのお別れ、つまり命の終焉とは常に向き合わなければならない仕事であることに、難しさを感じていました。
 

そんなある日、柳田邦男氏の『「死の医学」への序章』という本に出会い、健康であれ病気であれ、生きているということは日々死に近づいてくことであり、それは普遍的な事実なので抗うことはせず、自然に心を落ち着かせて日常を過ごし、逆に「死」を見つめることで「生」を輝かせることができ、今生きていることが何よりも大切で貴重な時間であることに気づかされました。
 

そのことで高齢動物や終末期医療に対しての向き合い方やご家族に対しての言葉かけにも、個々の事情と病気などの状況によって様々な対応があって良いのだと思えるようになりました。
 

今も本牧通り動物病院の診療で繰り広げられる、動物たちとの出会いやご家族とのコミュニケーションの中で、動物と家族にとって何が良い選択なのか日々考え、悩みもがきながら、安心できる医療を提供する姿勢を忘れないようにすることが、学ぶことを続ける原動力になっています。
 

これからの「本牧通り動物病院」。どんな病院を目指していますか?
 

今までも続けてきたように、動物とその家族が楽しい気持ちになり、温もりを感じて心癒される病院にしたいです。そのためには先ず大前提として、我々スタッフは獣医療のプロとして正確な知識と堅実な技術の習得を心掛け、常に向上心を持って自己研鑽をし、心の通う医療サービスを提供すること。
 

それらを安定して続けることで、地域の人たちに認められ信頼されて、世代が変わっても同じように付き合える、地域に溶け込んだ病院にしたいです。
 

その担い手である病院スタッフが、お互い認め合い助け合いながら、生涯を通じて安心して働くことが出来る職場にし、動物を含めたその家族の幸せに貢献し、いつまでも心の繋がる場所にしたいです。
 

何よりもスタッフには明るく元気でいてもらいたいです。
 

2019年スタッフ達との合成集合写真


 

たけだ
たけだ
過去、現在、そして未来を語った回答の中には先生の「人と動物を大切に思う気持ち」があふれていました。

 

また、その思いの原点が10歳の頃から45年を経ても変わっていない、そのことに信頼と安心感を感じました。
 

これからも、牧野院長とスタッフ達と一緒に「人と動物の幸せ」を届けられる動物病院をめざしていきたいと思います!